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『冬空に舞う堕天使と』 岸田黎子 [◆ロマンスコミックス]

冬空に舞う堕天使と
〈壁の花〉冬空に舞う堕天使と (エメラルドコミックス ロマンスコミックス)『冬空に舞う堕天使と』
◆コミック化◆岸田黎子
◆原作◆リサ・クレイパス
◆発行◆2009.12.



内気で地味なエヴィーは父親の賭博クラブを相続することになったが、莫大な財産を羨む親戚から命を狙われてしまう。
追い詰められたエヴィーは公爵セバスチャンに契約結婚を提案する。しかし彼は社交界で有名な放蕩貴族だった。ただの契約だと分かっていながら堕天使のような美貌の彼に惹かれてしまい…。
====================

◆19世紀ヒストリカル・イギリス

他の作品が原作とのあわせ読み重点。だったのでこの作品も……

原作をばっさりばっさり切ってつなぎ合わせてまとめてある感じです。二人の描写がもっと欲しかったな~とは思うけど、ページ数の限界が…と思ってうにゃうにゃな。
ラストの事件がばっさりまとめてありましたが、問題ないかとv 逆にヒロインに重点が行くので判りやすくなっててv

本作が、他の作品に比べて不満が少ないのは岸田先生の作風とヒロイン・ヒーローのキャラクターにずれが無いから(特にエヴィー。つっかえが直る描写が無くてもすっと入ってきます)
なので、二人の心理状況が詳しく描かれなくてもすんなり入ってくるんですよね~
原作を読まれるとホントに二人が違和感無くくるくる動いてくれると思いますv
(個人的に一番好きなシーンはグレトナ・グリーンまでの道中v 案の定カットされてましたがww)
それと、この作品はヒーロー・ヒロイン共に成長し沢山の事を受け入れて開拓してゆく物語になるのですが…その、二人のバランスが絶妙なので『こっちが無いからこっちが無いのはまぁ…』という気分になってしまうのも事実(笑)

ただ、一つだけどうしても受け入れられなかったのは(すいません白地で伏せますので読んでもいい人だけクリック&ドラックして読んでください(汗))
キャムのイメージがぜんぜん違った……
中チラシを探してぱらぱら~っと中をチェックした時『キャムがいない!?』と、思ったくらいイメージにずれが……
キャムって、この時点で年齢25歳。エヴィーよりちょっと上で、背が高くてスリムな幻惑的なイメージの男性を思い描いていたのです。え~~漫画家さんイメージで言うと浜口奈津子先生ヒーローのような。
で、二人が寄り添っているときょうだいが一緒にいるようなのにセバスチャンが嫉妬して『もうv可愛いなぁv』と、思うのですが、この容姿だと嫉妬します。よくわかります…この容姿で作中でデイジーとのやり取りがなくなっててほっとしたw あったらもっと違和感あったかも…自分的にw
もともと、原作読んでるときからどうしてもキャムが岸田先生の絵で描けなくて苦しんでいたので、ああやっぱり…という気持ちがあったのは事実ですがww(と言うか、冬が岸田先生で自分の中での一番の不安がそれでしたww ほかはも~ぉ上記のとおりだったんですがww)

きっとこれは慣れだと思います(ノд・。) 私の思い込みだしww 頑張りますww

冬空に舞う堕天使と (ライムブックス)『冬空に舞う堕天使と』(ライムブックス)
んでもって原作。既読。
◆発行◆2007.3.


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イヴ・D・ローク

キャムが~そんなにイメージと違ったの?
浜口先生の作風のイメージ、うん。分かる気がしますww
本屋で悩んで未だ買う決心が出来ていないんだけど。
登場人物のイメージを思い浮かべながら本を読むから漫画化され違うとガックリしますよね
by イヴ・D・ローク (2009-12-12 12:53) 

まお

キャム・ローハン。
私はそんなに印象違うとは思えなかったですけど。
漫画読んでから原作読んだせいかな。
喧嘩が強くて、ごろつきとも平気で渡り合え、
娼婦や淑女を惹きつける魅力を備えたジプシー。
自分を引き立ててくれた恩人への感謝を忘れず
一途に仕え、友人や仲間への思いやりも深い男。
あれじゃダメですかねぇ?

私もどちらかというとコミック→小説派なもので、
違和感あんまりなかったですね。
後から原作読んでも。

それにしても、「冬空に舞う堕天使と」は
想像以上に素晴らしい出来でした。
感動です。
年間の1位に挙げても悔いはないかも。

内容は後回しにして、
まずはその作画に度肝抜かれました。
ヒーローの瞳はアイスブルーと表現される薄い青、
ヒロインの瞳はサファイアのように濃い青、
なのですが、
その瞳をトーンを貼って表現しています。
それがもうとてつもなく美麗。
吸い込まれそうとはまさにこのこと。
出色の出来です。
ヒーローヒロインの顔がアップになると
その美麗さが際立つ際立つ。
もー、何時間見てても飽きません。
逆にロングに引くとその処理がなくなるので
明らかに間抜けな顔になっちゃうんですよね。
そのギャップがちょっと切ない。
あと、ヒロインは燃えるような赤毛なんですが、
表紙以外ではそれはほとんど感じられません。
それはかなり残念。
ヒーローの方は金髪線が入ってなくても
何とか金髪に見えるのですが。
瞳の処理に手がかかった分、
髪の毛には手がかけられなかったのでしょうね。

またハーレクインでは黒髪のヒーローが多くを占め、
今回のヒーローのような金髪碧眼というのはかなり珍しいタイプ。
しかし、日本人女性が「白馬の王子様」を夢想する時、
大抵はセントヴィンセント卿のような容姿を
想像するはず。
一度でいいからこんな完璧な美男子が
自分に夢中になってもらいたい、
少女期のそんな甘い夢を
この作品は具現してくれています。

しかも、内容がまた素晴らしい。
キャラ造型がほぼ原作通りなのは勿論いいとして、
原作の脚色がページ数に対して的確。
原作のドラマチックな部分をしっかり描写するために、
前2作と違って
他の壁の花たちの登場場面が省略されており、
シリーズとしてのお楽しみが減っているのは
さみしい限りですが、
原作よりヒーローがヒロインに惹かれる過程や理由が
判りやすく表現されているので、
一番大事なところはきっちり押さえてあるなと。
ま、原作にあった冷徹なヒーローのメロメロ振りを

あまり見せてもらえないのは
惜しいなぁとは思いますが。

今回のヒロイン・エヴィーは
私がヒロインに望む資質をほぼ備えています。
いざという時に勇敢で大胆、
精神的に一本芯の通った強さを持ち、
複雑な家庭事情に生まれ育った子供にありがちですが、
人の心を読む能力に長け、
慈母的要素を備えて
ヒーローの孤独な魂を能動的に癒す…
こんな女性なら
どんな男性でも愛さずにいられないでしょう。

いやー、さすがは「壁の花」の中で
最高評価を与えられる名作です。
リサ・クレイパス作品の中でも
一、二を争う人気作なのがよく分かります。
私も同じように本作に
最高レベルの評価を与えたいと思います。
そしてまだ「春」を読んでいませんけれど、
多分「壁の花」4作中最も起用が当った作家さんは
今作の岸田黎子先生だと思います。

私はハーレ社の単行本の購入が主なので、
現在は滅多に岸田先生の新作を読めません。
こういう作品に出会うと
ホントにその状況が恨めしいです。
でも、岸田先生は
ハーレ社の社風に合わないと思うので、
ハーレクインコミックのお仕事して欲しいとは
思いません。
むしろ、宙で他のリサ・クレイパス作品の漫画化を
手がけてもらいたいです。
取り敢えず、「壁の花」の関連作である
「もう一度あなたを」
「夜色の愛につつまれて」を是非!!

by まお (2009-12-12 20:20) 

りらっくまま

まおさんの素晴らしいレビューに、すっかり目が釘付けです。おかげでこっちまで一言書きたくなりました。(笑)

そう、確かにセバスチャンの目のトーンはイメージぴったりで、まおさんのご指摘通りだと思いました。
さすが岸田先生、これを書く為に眼鏡を新調されたと書かれていましたが、おそらくはこのトーン処理の為だったのではないかと推察します。だって本当に大変そうですもの、あれ。

>ゆんさん
キャム、駄目でした……? 私は全然へっちゃらだったのですが。むしろありかと。ああ、でも浜口先生のイメージのキャムも分かります。
私の場合はむしろウエストクリフが……。きっと思い入れがありすぎるからなんでしょうね。
だって、リサ・クレイパスのキャラで一番好きなのがウエストクリフなんですもの!
ちなみに、自分のイメージに一番近いウエストクリフは、やっぱり尾方先生です。(まあ、ヒーローとして描かれていますから、一番格好いいのは当然ですが……)

でもとにかく、セバスチャンをあそこまで格好良く描ききってくださった岸田先生には、ねぎらいの意味も込めて、惜しみない拍手を送りたいと思います☆

by りらっくまま (2009-12-13 00:02) 

まお

>りらっくままさん

お褒め頂き恐縮です(__)

あのトーン処理はホントに見事でしたよね。
原作ではお肌すべすべという設定ですが、
瞳のトーン処理を含めた丁寧な作画で、
陶磁器のような艶肌も表現されていました。
このまま化粧品のCMに使いたくなるような
輝きのある画面に
完全にノックアウトされてしまいました^^;

しかし、「秋」では悪役だったから
仕方ないのかも知れませんが、
やはり堕天使と評されるほどの美貌を誇る
セントヴィンセント卿の容姿が「秋」のコミックでは
さほど美しく見えなかったのは
ちょっと気に入らない部分だったり。
その当時はまだ気持ちが荒んでたんで、
堕落した精神がそのまま顔に表れてたと言われれば、
否応も無いのですが、
せめて同作者の「華麗なるデビュー」の
ヒーロー、トレンチャード卿アイボくらいには
男前に描いて頂きたかったなと。

対して「冬」のウェストクリフ伯は及第点かと。
実際、ウェストクリフ伯は
その威厳は他を圧倒するものの、
容貌はいかめしくてごつく、
決して女性をうっとりさせるような外見ではないので、
セントヴィンセント卿より見劣って見えてちょうど。
むしろ伯爵の真面目で公平で友情に篤いところが
上手く表現されているキャラ造型だったなと
私は思っていますが、
私自身「冬」への思い入れが少々過ぎているので、
これらの見方は贔屓目入ってるかも(^^ゞ
by まお (2009-12-13 12:38) 

合歓木ゆん

>イヴ・D・ロークさん
私の中では正反対でした~(ノд・。)
でも、他の人にはアリだと思うし、コミックの中ではハマってましたよ~
(ただ、言わんとしていただいた意味が判って頂けたので自分ひとりの思い込みではなかったのだと救われました(ノд・。))

本作に関しては買っても損はないと思いますのでお勧めですよv

by 合歓木ゆん (2009-12-17 15:06) 

合歓木ゆん

>まおさん
えぇ、私の中では月と太陽くらい違いました……
ロマの男性、という点では全く持って納得の外見なのですが、理想の(笑)キャムの幻惑さと物憂さが……
『あの彼』に卑怯な事をしてでもけんかに勝って欲しくないです……というか、年齢がもうちょっと上ならあの外見でまおさんの言うとおりで納得ですしここまであうあうならなかったんですが…ヒロインと同年代ではなくヒーローと同年代くらいに見えません?

と、言うわけでなんだかのりのりで感想書けなかったので、まおさんのはじけた(笑)コメントでだいぶ救われましたv

ちょこっとだけ暴言を吐くと。
岸田先生には毎回コレくらいの作画をしていただきたいです……隅々までに渡る気の配りよう……
多聞に漏れずだんだん荒くなって来られていたので…コミックスの時には直されてるのかなぁ?
by 合歓木ゆん (2009-12-17 15:11) 

合歓木ゆん

>りらっくままさん
そういえば、私はヒロインに対する思い入れは強いんですが、ヒーローに対するソレは今までなかったかも……
自覚無かったんですが、キャム?(がーん(笑))

りらっくままさんとまおさんのコメント見てて今回の布陣ってヒーロー重視だな~っとしみじみw
あわせて読むとヒロイン同士はそこまで違和感無いのにヒーローは流石に担当作家さんの手によるものに追随できませんねww
by 合歓木ゆん (2009-12-17 15:13) 

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