『ボスと秘書の十二カ月』 藍まりと

『ボスと秘書の十二カ月』
◆コミック化◆藍まりと
◆原作◆エミリー・ローズ
◆発行◆2010.8.



社長秘書のタラが会社を辞めたのは、社長の息子ランドのせいだった。ふたりはつきあっていたが、将来を口にした途端、彼に別れを告げられ、タラは辞表を提出したのだから。
だが5年後、突然ランドがやって来て、亡き父の奇妙な遺言の条件を満たしてほしいと言う。できなければ彼が地位も財産も失うその条件とは、1年間タラが彼の秘書となること。
神様、これはチャンスですか？　1度は失った彼の愛を手に入れるため、タラは大胆すぎる提案を彼に申し出た！
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

ミニシリーズ『キンケイド家の遺言ゲーム』の１作目。
独裁者であった父親が亡くなった。受け継ぎべきは３人のきょうだい。だが、その相続には各人一定ルールにおける一風変わった条件をクリアしなければいけないと言う。とても飲めそうにないその条件だが……
長年父親と張り合っていた長兄、ランドの物語。

今まで『何かに見返りを求めるヒロイン』史上、これほど大胆な提案をしたヒロインがいたでしょうか？
その提案に対する二人の対応と反応は、二人が決定的に離れる事となった出来事と結びつき……

ヒーローがまっすぐすぎてツボでございましたｗ
彼女しか見えてないのに過去と母親の呪縛に囚われて……いや、トラウマにならないほうがおかしいと思う出来事ではあるのですが。
その事（何らかのこだわりの壁）を感じ取ってどうしても彼を諦められないヒロインの包み込むような愛……
親父さんの２重３重の横槍とかｗｗｗ
（コミックではなかったんですが、ランド、タラと付き合うまで一ヶ月自分の中のルールと社内恋愛のモラルと戦いｗベットに誘うまでまたさらに一ヶ月……）

この作品、原作を既読で、読んでる最中とってもイメージが藍先生で！　藍先生の新作がデザイアの３部作だと知ってからこの作品でありますように～～と、ずっと祈っていたのです。ホントにこのちょっと変わった（笑）タイトルの作品がコミック化だと知ったときは狂喜乱舞しましたｖｖ
もうそれくらい作品そのものの雰囲気と藍先生の作風がぴったりで！
その上しかも、お見事と言うしかない解釈と構成で作品そのものの味を生かしながらぼやけたものを明確に丁寧に表現してくださってて感動！（お気づきかもしれませんが、その上増ページでさらに読み応えドン！）
原作を同時に読まれると、その感動がとてもよくわかっていただけるかと思います。原作のほうが流石に二人の内包する苦悩が深いのですし（その分うぅ～んと思うところもありますがｗ）、構成もちょっこし変えてあるのですが。それでも！だからこそ！
ラストシーン。あの手紙が省略されていなくて（しかも効果的に表されてて）…それだけでもう泣きそうにｗｗ

本作、ヒロイン・タラの醸し出す色気が秀逸でした。
自ら鼓舞する誘惑の色香、ふいに魅せるあどけなささえ内包する色っぽさ。ヒーローを愛するがゆえに溢れ出す艶やかさ。
（３部作の中で一番好みなヒーローのランドのかっこよさもさることながらｖｖあの肩幅がｖｖｖ）
意表をつかれた上にあまりの嵌り具合にのたうったのは親父様の胸毛でございましたが……遺伝しなかったのか胸毛…ふふふふふふ

そういえば、フルデジタルになられてからのちょっとざっくり系の主線がかなり綺麗になられましたよねｖ
『純白のウエディング』の頃の線がとても綺麗だったのでまたあの頃ぐらいの線画で見られるようになるといいのですが……


『ボスと秘書の十二カ月』キンケイド家の遺言ゲーム
んでもって原作。既読。
◆発行◆2009.9.

タグ：藍まりと エミリー・ローズ ◆キンケイド家の遺言ゲーム◆

コメント 3

デジタル……ううっデジタルに最後まで馴染めなかった…
やっぱり、私の中でまりと先生は「純白のウェディング」の黒髪のインパクトが強力すぎて………（汗）
タラの髪がデジタルじゃなくてスクリーントーンだったらまだ良かったのに……
って自分で言うのもなんだけど、どーでもいいことにこだわってるなぁ……私
裏表紙のタラのポーズが超カッコええっ！♪！♪！♪！♪！♪と期待しすぎたか？？？（いや、ハレ・カフェの紹介で予感はあったんですが…）
そのせいではないけれどタラよりも、予想に反して仲のいい＝お互いを理解しあい、憎むだけではないキンケイド兄妹がツボでした♪
自分で誤解を解いたランド、ランドがタラと別れた後のいきさつを聞いて鋭いツッコミをしたり兄の能力をちゃんと認めるミッチ、タラと仲直り？することをしり込みするランドを叱咤するナディア
しかし、あのたぬき親父はどうにも好きになれませんww
愛があふれていても人を引っ掻き回す？人は大っキライでございますww（今作とは無関係ですが、ルーシー・ゴードンが好きになれない理由の一つでもあります）
気になったのはナディアの遺言
あぁ！！早く読みたい！！！！！なぜ３ヶ月連続発売じゃないんだ！！！（先生の都合も考えない、ヒドイ私ww）
最後に、ゆんさんは良かったと言ったラストの手紙のくだりは、私は逆に違和感を感じました。
他の二人の遺言も終わってから兄妹３人同時に、この奇妙な遺言を残した種明かし？をした方が大団円！！！で、スカッとしたのになぁと私は思いました。
シリーズ物とはいえ、各作品独立しているといってもいいのでそれぞれのラストで手紙を見せるのも悪くはないですが、シリーズ物ならなおさら最後に全作品をまとめる何かが欲しいと思ってしまうのです。
うーーーーーん、今回は色々ゼータク＆ワガママ言い過ぎたな（汗）
by ヨッシー (2010-08-12 00:07) 

＞ヨッシーさん
はう！お返事遅くなりました（汗）
いえいえ。タラの髪はスクリーントーンですよ？？　アナログではあまり見られないくらい柔らかく削ってありますが。
確かに私も違和感？はあったのですが。そういえば！思い当たる節が。
以前、藍先生がついったで金髪線が苦手だと発言されていたような……だからこれが金髪の処理なのかしら？　っと。　んむむ。私的には『情熱の果てに』の時のような雰囲気を想像してたのでびっくりだったのです～

３兄妹の絡み合いは多分この作品が一番楽しいと思います*:.｡☆..｡.(´∀｀人)
ちなみに、ミッチのお話はこのお話の真裏で進行。ナディアのお話は両方のお話が終わった…遺言から２ヵ月後からはじまります♪

ラストのシーンの感想は私が原作を読んでいたから…の感想かもしれませんねｗｗ
原作３作品読んで、このラストがぐっと来たのでｖ　是非３冊そろった時をお楽しみにｖ　
by 合歓木ゆん (2010-08-22 23:00) 

沒有醫生的處方
does cialis cause gout http://kawanboni.com/ Sialis
by Buy generic cialis (2018-04-14 13:23)