『プリンセスの隠れ家』 荻丸雅子

『プリンセスの隠れ家』
◆コミック化◆荻丸雅子
◆原作◆ジュリア・ジェイムズ
◆発行◆2009.3.



美しい妹マリアにずっとコンプレックスを抱いていたリジー。
ある日、マリアが交通事故で亡くなってしまった。リジーは父親がわからないまま遺された男児ベンをひきとり、ふたりきりで幸せな毎日を送っていた。
そこへ公国のプリンス・エンリコが現れた。なんと、ベンの父親はエンリコの亡くなった弟だという。公国を治める大公の血をひくベンを、エンリコはリジーからとりあげるつもりなのだ。
ベンは私の生きがいなのに！
リジーは申し出をきっぱりと拒んだが…！？
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物語は、あらすじだけでは終わらず、そこから発展する契約結婚、ヒロイン変身ものへと広がってゆきます。
絡み合う王家の思惑。交錯する兄弟の愛情。
互いに無いものに惹かれ、彼女は目覚め、彼は求めていたものが何かを知る。

ラストの落ちがそうくるか！って感じで素敵でしたｖｖ

しかしヒーロー家族も大概だと思うけどヒロイン父母がひどい！
しかも、明記されてないけどその理由でガス自殺？うぅ～～

もともと荻丸先生の作品は感情表現の巧みさが光るのですが……この作品はそのよさを余すところなくあらわしているかと！
しかも、作画がとてもハマってて、みにくいアヒルの子であるヒロインをメインに、遺された子供、プレイボーイプリンス…と、キャラクターたちがとても生き生きとしていて惹きこまれます。相変わらず大味感があるのですが、そこがまたハマってｖｖ

ちょっと惜しいなぁ～と思うのは『二人が惹かれあった』シーンが薄かったことかな(^_^;)
そのシーンよりもその他もろもろのほうが衝撃が大きくて……『本当の妻に』というシーンがちょっと唐突だった感じが否めない。

でも、良い作品でした。泣けます。なのにこんな感想でごめんなさい！
悩んでいる人は読んでみることを強くお勧め！

『プリンセスの隠れ家』
んでもって原作。未読。
◆発行◆2008.3.

ぽちっとお願いｖ

タグ：荻丸雅子 ジュリア・ジェイムズ 『遺産』 『契約結婚』 『ヒロイン成長物語』 『ロイヤルロマンス』

コメント 4

はじめてコメントさせていただきます。
ハーレクイン歴半年のまだまだ新参者ですがよろしくお願いします。
当初は全く無関心だったこの作品ですが、こちらを見て気になって読みました。
感想は、ほぼ同じですね～。
ストーリー展開が駆け足なのは「いつものこと」ですから慣れましたが、やっぱり物足りない。
王室との絡みをもうちょっと書いて欲しかったなー。
あと、荻丸さんはヒーローの立ち姿（の足の書き方）がうまいなと（笑）
表紙よりも裏表紙のヒーローの足がスラっと伸びたカンジが「きれいな足だなー」とみとれてしまいました（笑）
ついでに「プライドと愛と」の裏表紙もいいカンジ（笑）
原作も読んでみようかと思います。
ただ、今まで私が読んだ物はほとんど原作もほぼ変わらない印象なのですごく不安ですが…
長くなってスイマセン。また何かあったら書きます。
by ヨッシー (2009-04-20 23:02) 

＞ヨッシーさん
はじめまして！コメントありがとうございます！
まだまだハマったばかり…という方のほうが新鮮な目で読めて面白い発見があったりするものですｖ　こちらこそよろしくお願いしますｖ

ホントに。
この作品はいろんな点が『もうちょっと』欲しかったです…詰まってて嬉しかったんですがｗｗ

あぁｖ素晴らしい着眼点ですｖ＜足
なんというか、しっかり大地を踏みしめてるんですよね～ｖ
裏表紙が綺麗だと悩んでる時は買っちゃいますよねｗｗ（私だけ？）

ハーレ社のものは漫画家さんがあとがきで『原作も是非』って言われるくらいなのでそんなに不満？の無いものが多いのですが……逆に原作読んで発見があるのもうれしいんですけどね～
あとがきにルカ兄様の出番がもうちょっとあるとあるので王室関係のエピソードがあるのかも？？と、気になっています。
私も機会があれば原作を読んでみたいと思っています。
ヨッシーさんも是非感想を聞かせてくださいねｖ
by 合歓木ゆん (2009-04-21 00:28) 

ようやく原作小説読みました～
ゆんさんが言っていた「二人が惹かれあうシーン」や王室との絡みというか、確執？がどんな風に書かれているかが一番気になるところだったんですが…

まず読んでみて、コミック作家の荻丸雅子さんは絵的にもセリフ的にも感情表現がうまいなぁと改めて思いました。
ヒロインのリジーは原作ではもう少しおとなしいカンジで、コミックのように感情を爆発させて怒鳴ったりはしません。
私の読解力が乏しいのかもしれませんが、そんな怒り方、言葉ではヒーローのエンリコはもちろん読者にも怒りの度合いが伝わらないのでは？と心配してしまいました。

逆にエンリコは原作の方が感情の変化が多く書かれていたので、次第にリジーに惹かれていくのが分かりやすかったです（コミックでも表情でなんとなく分かるんですが）
もっとも、大きな引き金になったのはやっぱり「リジーの変身」なので、よく考えないと「彼女が変身したから好きになったのか？」とついヒネクレた見方もしちゃいましたが（笑）
だけどセリフはやっぱりコミックの方がいいですね。
特に「愛を求める相手を」「本当の妻に」のくだりはエンリコの誠実さが伝わって好印象だと思います。

私が一番気になったのは王室との絡み。
コミックのあとがきでは兄のルカの出番がもう少しあると書いてましたが、ルカも父である大公も出番は原作もコミックも大差なかったです。
この点が期待してた（仲直りするとか）だけに拍子抜けしてしまって、読み終わってから「えぇっ?!これで終わり?!」って思わず叫んじゃいました（あ、これってネタバレになっちゃうかな？）

文章力がなくて長文になってしまいましたが（毎回スイマセン）、これを読んで原作を読む気が失せてしまったらごめんなさい。
でも、視点をリジーではなくエンリコにして読めば面白いと思います。
by ヨッシー (2009-05-16 01:27) 

＞ヨッシーさん
すばらしいレビューをありがとうございましたｖｖ
うちのブログが受け入れる限り長文大丈夫ですよｖｖ（てか、制限ないのでしょうか？ちょっとびっくり）

一言でまとめちゃうと、ヒロインよりもヒーロー視点での原作展開なのですね？（まとめすぎです）
私的にはヒーロー視点の物語は大好きなのでちょっと楽しみが増えましたｖｖ
王室関係の補足がないのは残念でしたが……兄のスピンがないでしょうかねぇ(笑)と、期待しちゃいそうですねｗｗ

萩丸先生の科白廻しの妙を実感なされただけでも読まれた甲斐がありましたねｖ
近くにはなかったので手に入れるまでもうちょっとかかりそうですが（汗）私もいつか読んでみたいと思いますｖ楽しみだｖ
by 合歓木ゆん (2009-05-16 22:12)