『侯爵と見た夢』 有沢遼

『侯爵と見た夢』
◆コミック化◆有沢遼
◆原作◆サラ・クレイヴン
◆発行◆2011.6．



「僕の元を去ってから、きみが新しい恋人によってどれくらい経験を積んだのか、大いに興味がある」ネクタイを緩め、私に覆いかぶさりながらサンドロが言う。
あの頃よりずっと魅力的になった彼――でも、このまま流されてまた過ちを繰り返すのは絶対にいや!　ポリーはサンドロをはねのけた。
3年前、添乗員のポリーはイタリアで恋に落ち、ある日突然、彼の代理人を名乗る男に別れを告げられたのだ。2度と会いたくないと思っていたのに、こんな形で再会するなんて!
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この作品…有沢先生に作品以外で納得させられてしまい(笑)と言うか、先入観と読後のもやもやを持ってかれて(笑)一人でうなってしまいました～
カバーおり返しの著者コメントで心構えして、あとがきでそうなんですよッ！っと(笑)
お陰様でなんだ畜生この男！！っと思わなかったので(おいおい)大変素直に楽しめましたｖｖ

しかも、今回『これって有沢先生の作風なのよね？なんだかちょっと落ち付かないかも…』っと思っていた空間の空振り感がほとんど感じられなくてとても気持ち良く楽しめたので…ぐいぐい読ませていただきましたｖ(空間の空振りと言うかなんだか妙な間を感じてしまっていたのです)

そして、裏表紙にやられた…
と言うか、思いがけなくて読み終わってえぇえぇぇ！？っとなりました。まさか○○○○キャラだと思って無くて(汗)それも最後近くまで出てこなかったので(笑)　読み終わって改めて裏を見てえぇえぇ！？(笑)

根本的な問題を書いちゃうとネタバレになってしまうので避けますが……（シークレットベイビーになった所以な訳ですが）二人の関係のその点（ここは『ああぁんｖもやもや！』する所…でもちょっと苦手な展開…）以外は、きっちり嵌っててかつ気持ちいい展開で読んでてとても楽しかったです。
いや、悪役って大事ねぇっとしみじみ……すばらしいヒールっぷりでした……

『侯爵と見た夢』
んでもって原作。未読。
◆発行◆2006.1.
◆再販◆2007.5.（耐水性版）

タグ：有沢遼 『シークレットベイビー』 サラ・クレイヴン

『偽りの代償』 しのざき薫

『偽りの代償』
◆コミック化◆しのざき薫
◆原作◆ジェシカ・スティール
◆発行◆2011.6．



失恋の傷を癒しに別荘へ出かけたヴァーニーは仰天した。なんと寝室のベッドに男性が寝ている!　
彼の正体は、実業界の若き獅子レオン・ボーモント。ヴァーニーの兄ジョンの雇主だ。最近、不倫疑惑でマスコミに追いかけられていた彼は、兄の勧めでここに身をひそめていたらしい。
ヴァーニーは、自分はジョンの妹だと名乗るが、レオンはそれをまるで信じず、家政婦か何かだと思いこんでいる。ヴァーニーは彼に勘違いされたまま、なぜか彼の世話をすることに!?
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冒頭のシーンから衝撃的で。
仰天設定なのにぐいぐい惹きこまれて一気に楽しませていただきましたーｖ

あの原作が、こんなにキュートでコミカルなお話になると思わず吃驚！
展開事態は魅力的だけど、どこか淡々としているお話だなぁと言うのが感想だったので……キャラクターたちにそれはそれは気持ち良く魂を吹き込んでもらった感じ！
お見事でございました！


ヒーローとの会話がとっても愛らしくてコミカルで。おしゃまな従妹とのやりとりみたいで楽しい～ｖｖ
もちろん最後はきゅんっとｖ
しのざき先生はしっとりした恋物語や切ないお話も素敵だけどこういう作品のほうが秀逸で印象に残りますね！大好きｖ

しかし能天気なヒロイン義兄と両親は変わらない…（両親もヒロインもと恋人にダマされてますから…）

『偽りの代償』
んでもって原作。既読。
◆発行◆2005.6.
◆再販◆2007.7.（耐水性版）

タグ：ジェシカ・スティール しのざき薫 『偽りの恋人』

『愛と指輪の重さ』 高井みお

『愛と指輪の重さ』
◆コミック化◆高井みお
◆原作◆キム・ローレンス
◆発行◆2011.7．



19歳の姪が旅先で突然結婚！？　彼女は大学の奨学金も得て、人生もこれからなのに！　
ネルは急遽スペインへ飛び、姪の相手ルイスと面会する。ところがその男性は、同じ名前だという従兄だった。途方に暮れるネルに彼は「病気の祖母の前で婚約者のふりをすれば、ふたりの居場所を教えよう」と提案する。こんな傲慢な人と偽りの婚約なんて、冗談じゃないわ！　
けど、姪たちの行方は見当もつかず、彼を頼るしかない。やむなくネルは彼の家に代々伝わる指輪をはめた――。
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高井先生、コミックス発行は一冊目ですが、ハーレ作品としては三作目。
作画は安定して綺麗で可愛らしい（ヒーローは甘くてかっこいいし…ｖ）のですが、作品の完成度としては回を追ってだんだんと印象深くなっている感じで…一作目でん～？っと思われていた方とかいらっしゃいましたら、ぜひ今作楽しんでいただきたいですねぇｖ

とはいえ、原作との相性があるかもしれませんが……

今回はもう！かわいいヒロインでした！　いや、子供っぽいんじゃなくておねぇさんぶろうとする無垢さといいますかｖｖ無鉄砲だしもーｖ
『ルーシーの叔母さんなのよ！』
と告げてヒーローに笑われちゃうシーンでノックアウトさせられてしまいました……！
その後もときめくシーン（ここは毎回高井先生にやられる…）とか、手の指先のちょっとした所作とか愛らしさ満載……！！

と言うか、ヒーローも可愛いんですよッ！
あの外見のヒーローがこんなに可愛いなんて反則だわ（笑）
初キスのシーンとか、あんなドレスを素で買っちゃうんだとかｗｗ（もともとあなたそういう趣味でしょうがッ！そりゃ最初の結婚失敗するわぁ（酷））

何より、乙女心くすぐられまくりのラストシーンにはもうもうたまらないｖｖ
さらってーｖ（なに？）

満足の一作でしたｖ
いや、不満を言うならあまあますぎて疲れた（笑）

『愛と指輪の重さ』
◆発行◆2010.4.

タグ：高井みお 『偽りの恋人』 『誤解』 キム・ローレンス

『南十字星に抱かれて』 津谷さとみ

『南十字星に抱かれて』
◆コミック化◆津谷さとみ
◆原作◆バーバラ・ハネイ
◆発行◆2011.7．



映画会社で働くグレースは、新社長のミッチに反感を抱いていた。お金にものを言わせて会社を乗っ取るなんて!　だから彼とふたりでロケ地を探しに行くときも、決して気を許したりしないと決めていた。だが大自然を探索するうちに、グレースは彼の意外な一面に触れる。
一見傲慢そうだけど、本当はやさしい人なのかしら?　そう思った矢先、思わぬ事故で車が燃えてしまった!　周囲は荒野に囲まれ、夜空が広がる今、互いの力をあわせるしかなくなり…!?
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この作品、この原作としては津谷先生に手がけていただいて最良だったと思うのですが、今の津谷先生にこの原作ではもったいないような気がする…と言うのが読んで一番の感想でした。　原作既読だったせいかしら？

反感と失態でギクシャクとした関係からの二人の駆け引きと触れ合いからはじまる上司と部下の恋物語なわけですが……
一筋縄では行かないふたりのやりとりがなんとも言えない（笑）
そのうえ！
まさかのサバイバル！（笑）
満天の南半球の空の下、燃え上がる車！広がるアウトバック。辿りついたオアシスでのサバイバル生活……一夜だけ。
この展開をこれだけ魅力的に描いていただけるとは……ｖ

そしてこんがらがった誤解が解けていく様が……その前の展開のせいでお前もっとしっかりしろとヒーローに言いたくなるのは私だけ……？
でも、二人の為にも映画を兎に角成功させるという意識にはむちゃくちゃ共感させられる…（結婚資金が貯まらないとプロポーズ出来ないと頑張る男の意地のようなのは高評価なのです！）

原作を読みなおすか悩んで再読せずにそのままの感想でした……

『南十字星に抱かれて』
んでもって原作。既読。
◆発行◆2005.12.

タグ：津谷さとみ 『オフィスラブ』 バーバラ・ハネイ

『つまずいたプレイボーイ』 荻丸雅子

『つまずいたプレイボーイ』
◆コミック化◆荻丸雅子
◆原作◆ジェイン・サリヴァン
◆発行◆2011.7．



不幸な家庭に育ち少年の頃から反抗的で、しかも軽薄な女の子とデートしてばかりではいい評判が立つはずがない。コール・マッカラムはまさに町の嫌われ者だった――彼に熱をあげる女の子たちを除けば。
そんなコールが便宜上の結婚相手に選んだのは町1番の奥手ヴァージニア。恋愛に縁のない彼女に、せめて忘れられない一夜をプレゼントしてあげよう。コールは簡単な式のあと、ホテルの1室で過激なキスをしながら体を愛撫した。そのとたん、思いがけない反応が返ってきた!
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今回も細やかな感情表現の数々にやられましたーｖ
臆病なヒロインが少しずつ強くなって顔を上げていく表情も素敵なのですが、なにより、偽りに満ちた微笑みの皮肉屋だったヒーローがすっごく素敵な笑顔で笑えるようになる様子が素敵なのですよ～～ｖｖ
なのに、『自分にこんな幸せが来るはずが無い』と、構えていたせいでヒロインに酷い事を言ってしまった後の涙がたまらん……！！

いつもの荻丸先生の作品よりきゅっと丁寧に詰めてある感じで満足度が高かったですｖ　原作テンプテーションで…あんまりエピソードも削られて無いし…？（確か）だからかしら？
（既読のはずなので原作探したのですが見つからなくて確認できませんでした(T_T)）

そしてエピソードがどれもどこかくすぐったくて良いのですよ～ｖｖ
『結婚した』と職場で言ったら虚言癖扱いされたヒロインを救いに行くシーン（ここが私の好みにドストライクなのです……ｖ）とか、みんなでアメフト見に行くシーンとか……絶対に外せないクッキーのシーンとかもうｗ

もうこのクッキーのシーンがーｖとか言ってたらあとがきにやられました（爆笑）


『つまずいたプレイボーイ』
んでもって原作。既読。
◆発行◆2003.2.
◆再販◆2008.4.（ハーレクイン文庫）

タグ：荻丸雅子 『契約結婚』 『遺産』 『プレイボーイ』 ジェイン・サリヴァン

『誘惑のチェス・ゲーム』 小越なつえ

『誘惑のチェス・ゲーム』
◆コミック化◆小越なつえ
◆原作◆リン・グレアム
◆発行◆2011.4.



君のすべてを手に入れるまで、このゲームから降ろしはしない――
イタリア人実業家セルジョ・トレンテは、監視カメラに映った意外な姿に驚いた。オフィスに置かれたチェスの難問オブジェに夜ごと挑戦する謎の人物とは、なんとみすぼらしい制服を着た清掃員だったのだ。だがこんなにも美しい女性がただの清掃員のはずがない。
ミステリアスな彼女に興味をひかれた彼はその女性を呼び出すと、これから毎日、深夜自分とチェスの試合をするよう詰め寄った!
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ミニシリーズ『非情な恋人』三作目。最終話。
親友三人、今までの作品の中で一番批判的で皮肉屋のセルジョの恋。

３部作３人のヒロインの中で一番しっかりしているように見えるヒロインなんですが……
ヒロインがしっかりしていると言うより、ヒーローがおかしい！
ヒーローがおかしいせいでヒロインの未熟さとか自虐的性格とかすべてスルーしてしまう…！
このおかしさはリングレ的おかしさなのか、小越先生的おかしさなのか（失礼）それとも相乗効果のなせる技なのかと思うくらい暴走していてもう（笑・多分三つ目）

それと、お約束の『悪女』のカタローナの悪女っぷりもお見事でした。
そしてヒロインの（以下略）

個人的にはたいっへん楽しかったです♪
笑うをとおりこして唖然とさせていただきましたが。
逆にいうと、その部分がきつかったかな？っとも。
小越先生、作品を綺麗に纏められて面白い作品になさるのがとても上手な方なのですが、作品に対して皮肉っぽい観方をされる方でもあると思います。そこが笑いを誘うし、共感も呼びます。
ですが、今回はセルジョの皮肉さと先生のその感性が混ざり合っててるような（汗）きついと言うか痛いと言いますか。
ヒロインが複雑でうまく入りこめず、気持ちを逃がせなかったせいもあるかもですが。
うぅむ。原作読んでいないので『実は上手く纏めてもココまでだった』だとしたらすいません（汗）
小越先生の作品としては他の作品のほうが好きかも？と思ってもにゃってみました。

えっと、一言で纏めてしまうと『変な』ヒーローでした。えぇ。
あ、あとがきのせいでそう思ってるんじゃないですよ！？（笑・小越先生お約束の？『あとがき』シリーズですが、今回も楽しかったですｗ）

ついでに（笑）ヒロインもと勤め先のブリジットと、ヒーロー秘書のアンディの関係が気になるｗ
この二人、あやしい……

『誘惑のチェス・ゲーム』非情な恋人〈3〉
んでもって原作。未読。
◆発行◆2009.1.

タグ：小越なつえ リン・グレアム ◆非情な恋人◆ 『富豪』 『プレイボーイ』

『キスは闇に紛れて』夏木未央

『キスは闇に紛れて』
◆コミック化◆夏木未央
◆原作◆キャロル・マリネッリ
◆発行◆2011.4.



「君が大人になったらね」
キスを求めて唇をつきだすエマに、ザリオスは言った。
あれから6年、パーティーでふたりは再会するが、今やザリオスは大企業の後継者。また、彼は女泣かせのプレイボーイとしても社交界に名を馳せていた。エマは用心しつつも彼の圧倒的な誘惑に抗えず、キスを許してしまう。その先に待っていたのは夢のような一夜だった。
だが、翌日の新聞を見たエマは衝撃で打ちのめされる。そこにはザリオスが元恋人とよりを戻したと報じられていたのだ！
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あ、あの…表紙と中身との作画の違いというかイメージの違いに愕然としました…
え？あの、失礼ながら同一人物が描かれたんですよね？？　ヒーローは雰囲気あるけど、ヒロイン、別人なんですけど…（汗）

とは言え、作画が悪い訳ではないレベルではあるのですが……
ただ、読んでて物凄く科白が一人で走っている感覚が強くて、作品に入りこめない。
それで無くとも、導入からのヒロインの境遇にあまり同意できなくてもにゃっとしてしまう所にこれでは…その後の展開がどんなに印象強くてもどうしても反発心がもたげてしまう。

表紙のような繊細な作画をされる作家さんだと思ってたのも相俟って、いろんな所が目に付いちゃって辛い。
一番駄目だったのは、ヒロインの口元。もう、わがままお嬢様がずっと口をへの字にしているように見えるんです！　間違った表情ではないと思うのですが、この境遇のキャラクターにこの表情は…
本来は、上品で甘やかされながらも自分の意思を持ち、兄の問題に頭を悩ませつつ血の繋がった兄妹だから何とかしたいと思う女性のはずなんじゃないかと思うのですが……そんな雰囲気の見えない六年前から成長の見えないお嬢様では……

ロマンスの世界って、ロマンスだけを見たい訳じゃなくて、素敵なヒロインだから素敵な恋が訪れたのだと思いたいし、がんばったから報われたと感じたい世界だと思うのです。
素敵な恋に憧れるだけじゃなく、読み終わった後、『よし！頑張ろう！』っと心の何処かで思わせて欲しいのです。

などと、作品とは全く関係のない感想文で終わってしまったり。
本当に入りこめなかったのでした（汗）

『キスは闇に紛れて』
んでもって原作。未読。
◆発行◆2010.2.

タグ：夏木未央 キャロル・マリネッリ 『偽りの恋人』

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