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『愛は時空を越えて』 佐伯かよの [◆ハーレクインコミックス]

愛は時空を越えて
愛は時空を越えて (ハーレクインコミックス・キララ)『愛は時空を越えて』
◆コミック化◆佐伯かよの
◆原作◆シャロン・サラ
◆発行◆2009.8.



6年前、夫と子供を事故で亡くすというつらい経験をしたメアリー。ふたりの死に責任を感じて自分を責めつづける日々を送っている。
ある日、メアリーは気まぐれに見慣れないアンティークショップに入ってみた。ショーケースの指輪に目が留まり、心惹かれて指にはめてみると、突然意識が失われた。
気がつくと、目の前には亡くなったはずの愛する夫と娘の姿が!!
彼女は事故にあう前の生活に戻っていたのだ。神様! いったいこれはどういうこと!?
====================

そして、事態は横行していた幼女誘拐事件へと続き……!
あらすじのようにタイムスリップものではありますが、サスペンスの要素も多分に含まれております☆ミ

この作品の一番の魅力はやはり、誘拐されそうなくらい人形のように愛らしいヒロイン娘ちゃんと、同じく誘拐されていた女の子たちでしょうか??(と、感じていたらあとがきで吹いてしまったww)
ううう、佐伯先生天使揃い踏み、選り取りみどりという感じです(笑)
基本的には恋愛モノと言うより、ヒロイン成長モノですし……読み応えはあります!

ところで、この作品、原作既読なんですが。
基本的に佐伯先生はコミック作品としては綺麗に判りやすくまとめてくださってます。原作に無い『宝石店の主人』の再度の登場がとても象徴的で印象的でしたv
が!その過程でこの作品上で私個人が『あぁ、そうなんだ…』と読み取ったところが消えちゃってて凄く残念でした!

(この下完全にネタばれです。要注意)
コミック上では触れられず、原作上ではさらっと流されてあるんですが、実は誘拐事件はヒロインがタイムスリップする前の世界でも起こっています。そして解決しない事件のニュースが流れ……そんなさなかヒロインがタイムスリップ。そして、彼女の娘を通して彼女も事件に巻き込まれます。
本来の世界でなら彼女が事件に巻き込まれることも無く…子供たちは犯人により……
だが、彼女は『過去の悔恨の記憶』と『二度と失いたくないものを知っている強さ』で身を挺して子供たちを…見も知らぬ子供たちを『自分は死んでもいいから』という強い思いで助けることになる。
そして、事件が解決した後、彼女は異質なものではなくなり現在と融和し『タイムスリップした記憶』もなくなってゆくのです。まさに彼女が『子供たちを助けたことにより赦された』かのように。

この展開で彼女がタイムスリップしたのは『過去の愛』を取り戻すためでなく、『彼女自身が成長し、罪の無い子供たちを罪人の手から救い出す』ために遣わされたのではないか。だからこそ、『子供たちを助けたことにより赦され』それが彼女の現在になったのだと感じたのですが。『彼女がもし子供たちを助けられなかったら『夢』で終わっていたのではないか』とまで感じたのですが。
(簡潔に言うと↑あらすじの『神様! いったいこれはどういうこと!?』は、『君に使命を与えよう。誘拐された子供たちを助け出すのだ。そうすれば君をこの愛の死んでいない世界に残そう』って事だったんじゃないかと)
その辺が感じられない作品になってて残念だったのです……
上記のようにイメージは狂わないし、コミックとしては素敵だったんですけどね~

この作品、原作も読んでみられることをおすすめします!(コミック、原作のイメージどおりですし、コミックでもやっとした感じのところは補完できるかと!)

ちょっと原作探していたんですがどっかに仕舞い込んでいるので確信取れて間違っていたら訂正しますね(汗)
記憶力にイマイチ自信が無い……すっごい記憶に残っているので大筋は間違っていないと言う自信があるので(笑)記事は上げてしまいます…!

愛は時空を越えて (シルエット・ラブストリーム (LS168))愛は時空を越えて (ハーレクイン文庫)『愛は時空を越えて』
んでもって原作。既読。
◆発行◆2003.9.
◆再販◆2007.7.(ハーレクイン文庫)


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なす

こんなに素敵なお話が隠されていたのですね!!
私はコミックを読んだだけなんですけど、ヒロインがこっちの世界で報われなさすぎるからあっちの世界で幸せになったんだと思ってました。でも正直いって「なんでヒロインだけこんな幸運が?」て設定に腑に落ちないところがあったのも確かです。

実際コミック読んでる最中、『これ、夢オチじゃないよね?ハーレだし』とか『マッチ売りの少女みたくならんよね』とか最後までドキドキしてたんですよ。

ヒロインの行動で幸せになったのは彼女だけじゃないんですね。ヒロインが身を挺して救った命があるからこそ手に入れた幸せだったんですね。ああ、良い話だ~、コミック読んでもジンワリしてたんですけど原作の細かいエピソードを読んで補完したら、もっかい泣けそうです。。
by なす (2009-08-13 09:14) 

イヴ・D・ローク

この作品は大好きな一冊なので、読みたい反面、自分の中でヒロインのイメージができあがっているからギャップを感じたらがっかりするんじゃないかと。

どーしようかな。と迷っています。
by イヴ・D・ローク (2009-08-13 16:13) 

合歓木ゆん

>なすかさん
そうなんですよ。というか、こういう『条件』があったんだと言うのでなければただただ都合のいい話でしかありえないんですよね……タイムスリップしてやり直せるなんて……
これが『読めない』と『タイムスリップなんて安易な』となりそうで(^_^;)

ヒロインは戦って幸せを勝ち取ったと思いたいのです!

ただ、原作でもはっきりと書いてあるわけじゃないのでもしかしたら作者の本当の意図は違うのかも?と、思ったりもしますが……でも、で、なければ、わざわざ誘拐事件解決のあとタイムスリップが確定しないと思うんですよ。

しかし、ヒロインの過去の記憶が消えてしまうなんてすごくアメリカ的だな~と、思った記憶がありますww(消えなくても…と、思い、逆にどうして?っと悩んだんですがww)

この作品、原作はもっと胸に来るので是非是非!


ロマンス的に解釈しましたが、SF的にだと『迷い込んだパラレルワールドで子供たちを救ったことによりヒロインの存在と言う歪みが確定した』にも取れそうですしww
by 合歓木ゆん (2009-08-13 21:12) 

合歓木ゆん

>イヴ・D・ロークさん
思い入れのある作品のコミック化は複雑ですよね……
とりあえず、私の感想はこんな感じなんですが…絶対細かいこだわりがあると思うので、どこかで一度目を通してから悩めるといいのですが…

コミックとしての完成度としては素敵だったんですけどね~
ただ、ほんとにヒーロー・ヒロインより子供たちの印象が強いww添え物のようですww
by 合歓木ゆん (2009-08-13 21:14) 

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